ドラム缶窯を作ってみました。

半兵衛窯に隣接する農園の片隅にドラム缶窯を作りました。焼いてみると炭焼きの基礎が体験できます。半兵衛窯だと1工程が10日ほどかかってしまうが、ドラム缶窯だと1日で焼け2日目には窯出しができる。竹炭は砕いて土壌改良材や床下の調湿材に使えるし、木炭はバーベキュー用の炭には十分使える。大きな窯はなかなか造る方がいないので、手軽に出来るドラム缶窯を普及してみたい。


【材料】
200リットルドラム缶、9mm程度の鉄筋,直径7〜8cm程度の土管(曲がり管1、直管2)、海苔のドウコウ(実際には使わず)代わりに砂岩の石4枚。ドラム缶は、小窯になる部分を平鏨でくり抜き、曲がり管が入るようにする。もう一方の口は平鏨で全部くり抜き、窯口部分を四角にくり抜く、この場合は別にあった蓋を利用した。鉄筋はロストル用で横棒を43cmに切断し梯子状に組む。
【ドラム缶の設置】
風の向きを考えながら床をならし、ドラム缶を水平に設置する。作業の途中で動かないように丸太などで固定する。丸太は炭を焼くとドラム缶の熱のため燃えてしまった。
【小窯の設置】
小窯は炭窯の命だ。ドラム缶の穴と挿入した曲がり土管の間に隙間がないようにベトでしっかりとつき固める。いわゆる止め窯しても空気が抜けたりしないようにする。
【一段目の煙突の設置】
曲がり管の上に直管を一本つなぐ、つなぎ目はやはりベトでしっかりと固定する。管が倒れないように丸太と針金で固定する。これで窯本体の設置が終わった。
【ドラム缶窯本体の完成】
ドラム缶をより安定させるために周辺の土で缶全体を覆う。また水はけが良い様に周囲に溝を作る。ドラム缶の奥には小窯の口が見える。小窯はロストルの下になるようにする。
【炭材の詰め込み】
先ず竹炭を焼くことにした。竹は孟宗竹。細いものは四つ割り、太いものは六つ割にして節をとる。竹が密に入るようにする。ドラム缶とあなどってはいけない。意外と材料は必要なものだ。ここをマウスでダブルクリックして、文章を入力してください。
【窯の完成】
小窯には2段目の土管を設置する。止め窯のときは、2段目の土管をはづし、口を塞ぐようにする。窯口は蓋をしてベトで隙間のないように塗り固める。
【焚き込み】
最初は窯口を海苔のドウコウ缶を使って焚き込みをしたが、止め窯の時の密封性に疑問があったので、途中で取り外し、新たに砂岩の高宕石を使って作り直し、缶の前面をベトで塗り固めた。焚き込みは、窯口が小さいので、出来るだけ奥の方に熱が行くように別の土管を一本差し込んで空気を入れるようにした。この土管は窯口を塞いでもそのまま空気口の調節に使用した。2時間で煙の温度が82℃になり炭化が始まったので窯口を塞ぎ差し込んであった土管の口で空気の入る量を調整した。煙は白から浅葱色になり8時間で煙が全く出なくなり、小窯の温度も360℃を超え煙突の中が真っ白になった。一気に窯口の土管と小窯の土管をベトで塗り固め止め窯にした。
【窯出し】
窯口を開けるときれいに焼けていた。やはり決め手はある程度時間をかけて焼くことと、止め窯には空気が抜けないように密封することである。取り出してみるとロストルの鉄筋が曲がっていた。窯の温度は500℃を超えていたものと考えられる。
【出来た竹炭】
トタン板の上にあるのが1窯分の竹炭だ。米の空き袋に入れると2袋半あった。意外と炭は硬く良質だ。十分に水の浄化や調湿材として使える。また砕けば土壌改良材になる。家の周りの竹の処分や剪定木の処分にドラム缶窯を作ってみませんか。お近くの方でしたら、お手伝いにまいります。ご連絡ください。